美容師がカットできるまで何年かかる?

美容師がカットできるまでは何年くらいかかるの?
美容師はまずアシスタントとして就職してカリキュラムを全てクリアするとスタイリストに昇格することができます。色々な技術がありますが大抵の場合はカットが最終関門になることが多いです。ということはカットができるようになればスタイリストに昇格と言ってもいいくらいですね。
そんなカットの技術ですが一体何年くらいで習得することができるでしょうか?詳しく解説していきますので是非最後までご覧ください。
この記事を書いている自分は美容師歴18年で、自身で美容室を2店舗経営しています。

カットができるようになるまで平均して約3年かかります

美容師がお客様をカットできるようになるまでは平均して約3年程かかります。一言にカットと言っても技術は細分化されており様々なスタイルが存在します。

・ワンレングス
・レイヤー
・グラデーション
大きく分けるとカットは3種類の切り方で成り立っています。

ワンレングス

ワンレングスとは髪の毛が落ちる位置で真っ直ぐにカットすること。段差のつかないスタイルでカットの基本中の基本になります。このワンレングスですが実際に切ってみるとまぁ難しいんですよ。

コーミングや左手のテンションのちょっとした違いで真っ直ぐのラインが崩れてしまいます。誤魔化しの効かないカットになるので反復練習が必要です。コツはとにかくノーテンションでカットすること。コーミングは髪の毛の流れを真っ直ぐに整えるように優しくしましょう。

ワンレングスの中にも床と水平にカットする基本的なスタイルに加え、「前下がり」「前上がり」といった種類があります。

レイヤー

レイヤーとは上の髪が短くて、下の髪が長いスタイルのことをいいます。特徴としては動きのあるスタイルを表現することができます。レイヤーの幅が大きいスタイルのことを「ハイレイヤー」、幅の小さいスタイルのことを「ローレイヤー」と呼んだりします。

レイヤーを切るときは髪の毛を持ち上げるようにして切るので、常に一定の高さに持ち上げる練習が必要です。また左手の指の角度も大切でこちらも常に一定の角度を保つように意識しましょう。

レイヤーはショートからロングまで幅広い髪型で使われる技術です。

グラデーション

グラデーションとはレイヤーの対義語で上の髪が長くて、下の髪が短いスタイルのことです。特徴としては狙った場所にウエイトを作り丸みのあるシルエットを作ることができます。基本的にはショートヘアのカットでよく使われる技術ですね。

グラデーションのカットはパネルを縦に引き出して切る方法や横に引き出して切る方法、更には斜めに引き出して切る方法などがあります。おそらく働くサロンによって切り方が一番変わってくる技術ですね。

基本を組み合わせてスタイルを作っていく

先ほど解説した3つの技術がカットの核となる部分になります。反復練習を繰り返して精度の高い技術を身に付けましょう。そしてその3つの技術を組み合わせてカットできるようになるとヘアスタイルを作ることができます。3n

ワンレングスだけは一つの技術で成り立つ場合もありますが、「レイヤー」と「グラデーション」は組み合わせて使うことが多い技術です。

例えば、一般的に「重めのAライン」と呼ばれるようなロングヘアは土台の耳下部分がグラデーションで耳上からトップにかけてをレイヤーでカットしています。

逆に「くびれのあるレイヤースタイル」は土台部分がレイヤーでその上に軽くグラデーション、更にその上にレイヤーが乗っかってきます。

よくある「ショートボブ」は表面に軽くレイヤーを入れて、全体的にグラデーションでカットしていますね。

コピーカットが練習には最適

基本の3つの技術を学んだら、次は写真を見て必要な技術を判断する能力が必要です。どんなに技術力があっても間違った場所に間違った技術でカットしてしまうと全く違ったスタイルになってしまいます。

ヘアカタログやWEBサイトのヘアスタイルを見て「このスタイルは〇〇にグラが入って〇〇の部分がレイヤーだな。」「このスタイルのレイヤーの幅はだいたいこれくらいだな。」と的確な判断ができるようになりましょう。

練習方法としてはウィッグを使ってカタログそっくりにカットしてスタイリングする練習があります。「コピーカット」と僕は呼んでいますが、作りたいヘアスタイルに必要な技術の判断とスタイリング力の向上が見込めます。とても実践的な練習なのでスタイリストに昇格してからもおすすめの練習方法ですよ。

とにかくそっくりに仕上げができるように繰り返し練習しましょう。

1日でも早くカットを始めた方がいい

人間相手にカットができるようになるまでにははっきりとしたルートがあります。

・基本の3つのカットを覚える
・基本の組み合わせでスタイルを作る
・写真を見て必要な技術を判断する
・人間の髪質に合わせてカットする
上記の4つを覚えるとスタイリストとしてカットの技術が身に付いたと言えるでしょう。先ほどカットができるまでに約3年かかると言いましたがカットだけならそんなに時間はかかりません。カットとは別にシャンプーやブローなどのカリキュラムがあるから3年かかってしまうのです。
カットの習得が遅い美容師の特徴としては練習開始の時期が遅いことです。「美容師になって1年間ハサミを握っていない。」というアシスタントも結構いるんですよ。もちろん最初はカット以外に覚えるべき技術があるのであながち間違ってはいませんが、カットが上手くなりたいなら1日でも早く練習を開始しましょう。
全ての技術は積み重ねて上達していくものです。少しでもいいので既定の練習時間以外を使ったりしてカットを始めましょう。最初は遊び感覚でいいんです。練習時間ではなく自由時間であれば何をしてても怒られることはありません。
「まだ先輩に習っていないから。」という意見もありますが、そんなのは今の時代あらゆる方法で調べることができますよ。「ワンレングス 切り方」「レイヤー 切り方」「グラデーション カット 方法」などでググってみて下さい。もしかしたら先輩よりも上手なスタイリストの動画を見る事ができるかもしれませんよ。

人間の髪をとにかくカットする事

早く3つの基本的技術を練習したら、ウィッグのカット練習も大切ですが人間の髪を実際にカットしてみましょう。最初は完璧にカットできなくて当たり前です。仲の良い友達に協力してもらってどんどん無料でカットしてみましょう。ウィッグと実際の人間の髪質はやっぱり全然違いますし、人のよって毛流れや髪質は様々です。

最近のアシスタントの傾向として「失敗するのが怖いから技術をしっかり練習してから人間のカットをしたい。」という人が多いですが、圧倒的に効率が悪いです。失敗しなければ反省もありませんし、上達もありえません。誰しもいつかは大きな失敗をしてそこから成長するので失敗は早めに経験した方がいいですよ。

カットが早く上手くなるアシスタントは営業前や営業後にモデルさんを呼んで実践的な練習をしている人が多いです。

更にメリットがあります。それは自分がスタイリストになったときのお客様になってくれる可能性が高いことです。自分が下手くそだった頃からの努力を知ってくれている人は応援してくれるのです。

「アシスタントだった〇〇がスタイリストになったから1回は髪をお願いしてみよう。」とサロンに足を運んでくれるようになります。よく都内の有名美容室でデビュー月の売り上げがいきなり100万を超えるような話がありますが、それは全てアシスタント時代のモデルカットのお客様が来店してくれているのです。

まとめ:美容師がカットできるまで何年かかる?

美容師がカットできるまでには約3年かかります。それはカット以外の技術も含めて3年かかるということ。カット自体はそこまで時間はかかりません。ただ始めるタイミングが遅いだけです。

もし「早くカットが上手くなりたい。」と思うなら明日にでもハサミを触りましょう。アシスタント業務も大切ですが、スタイリストになるためにはカット技術が必ず必要です。スタートが早ければ早いほど有利な点が増えますので、とにかくカットしてみることが大切です。将来的に沢山のお客様に支持される立派なスタイリストになれればいいですね。

少しでも参考になれば嬉しいです。

他にも美容師が抱える悩みに関しては下記の記事で詳しく解説していますので、参考にして下さい。

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