どんな人が得をして、どんな人が損をしているの?
働き方改革とはいったい何なのか?
まず端的にに説明しますね。
働き方改革とは、一億総活躍社会実現に向けた、労働環境を大きく見直す取り組みのことです。
一億総活躍社会???
何のこっちゃ?
となるのが普通の反応です。
安心してください。
詳しく解説していきますね。
現在の日本は少子高齢化が進む一方です。
つまり働き手が年々減少してしまうのです。
このままでは日本の人口は1億を割ってしまい、更に経済的に良くない方向へ進んでいってしまいます。
その流れに待ったをかけたのが働き方改革なのです。
- 少子高齢化により、労働力人口の低下
- 出生率が低いために少子高齢化に歯止めがきかない。
- 労働生産性が他国に比べて低い
これらの問題を解決するための改革なのです。
具体的な3つの改革
長時間労働の解消
「日本人は働きすぎだ。」
という声を聞いたことはあると思います。
日本人の労働時間は諸外国に比べて長いのです。
長時間労働が解消されないとどうなるのでしょうか?
それは女性の出生率の低下に繋がります。
女性自身が長時間労働により疲弊してしまって、家事・育児に向き合う時間が確保できなくなります。
さらに既婚者の男性が長時間労働によって家庭の仕事を嫁任せになってしまいます。
協力して育児ができない環境なので、
「子供が欲しい。」
という気持ちにならないのです。
そこで政府が出した対策が【時間外労働時間の上限規制の導入】です。
つまり
「あまり残業をさせるなよ。」
「残業させるならしっかり賃金を払いなさいよ。」
「1か月に45時間までだよ。」
という事です。
正社員と非正規社員の収入格差の解消
長時間労働や転勤が嫌なら、契約社員やパート社員になるという選択肢もありますが、そう簡単な問題ではありません。
なせなら正社員と非正規社員の収入格差が大きいからです。
非正規社員の給料を時給換算すると正社員の約6割程になります。
ちなみに欧州では8割程はあります。
女性が出産や育児をするためには長時間労働は不可能ですよね?
ですので、ほとんどの女性が非正規社員として働くことになります。
しかし非正規社員になると給料がガクッと下がってしまう。
これによって労働生産性が著しく下がってしまいます。
そこで政府が出した対策が【同一労働同一賃金】という対策です。
これは正規、非正規に関わらず、労働によってもたらす価値が同じ場合は同じ賃金を支払うべきだという考え方です。
言葉にすると当然ですよね?
しかし、現実にはベテランの女性非正規社員よりも新卒で入った全く仕事のできない正規社員の給料が高かったりします。
この問題が解消されると労働生産性は高まり、女性の働き方も様々な選択肢が増えるでしょう。
労働人口不足の解消(高齢者の雇用促進)
労働人口を増やすために65歳以上の高齢者の雇用促進の動きがあります。
実際に高齢者にアンケートをとっても
「働けるうちは仕事をしていたい。」
という回答が多いようです。
現代は医療も発展していて、健康寿命が延びています。
昔の65歳と今の70歳を比べてみると、今の70歳の方が元気かもしれないくらいです。
単純に定年退職した非労働人口の方にもう少し頑張ってもらおうとする政策です。
実際に高齢者の再雇用に協力的な会社も少しずつ増えてきています。
- 長時間労働の解消
- 正社員と非正規社員の収入格差の解消
- 高齢者の雇用促進
働き方改革で得する人
これまでの説明で何となく働き方改革のことは理解できましたか?
では実際に働き方改革を行う事でどのような人が得をするのでしょうか?
- 能力のある若者、非正規社員の人
- 副業を始めたい人
- 元気な高齢者
仕事の結果と賃金を【同一労働同一賃金】という考え方に基づいて評価されるならば、能力のある若者にとってはチャンスが大きいです。
これまでの年功序列の社会では会社に入って年月が経っている方が給料が上になります。
ということは仕事のできないオジサンの方が、能力のある若者よりも給料が高いという事。
これでは仕事のモチベーションもなかなか上がらないですね。
しかし、仕事で結果を残せばしっかり評価されるのならばやる気も自然にUPします。
結婚や子育てで非正規社員になってしまった女性にとっても、少ない労働時間で多くの給料をGETする希望が見えます。
また、残業時間に制限ができることによって自分の時間の確保が簡単になりました。
「本業以外にも副業に挑戦したい。」
という人にとってはありがたい環境になりましたね。
しかも今は副業解禁の世論が主流で、昔のように隠れてコソコソ副業を頑張る必要がないのです。
本業の会社でも、堂々と
「副業もしています。」
話すことができるのです。
65歳という理由だけで強制的に社会から卒業させられてしまう高齢者にとっても良い環境です。
健康的で労働に対して意欲的ならば、働く場所が増えてきています。
「まだまだ社会人として仕事がしたい。」
という高齢者の力で社会が更に盛り上がることでしょう。
働き方改革で損する人
しかし日本中の全員が働き方改革の恩恵を受けるわけではありません。
むしろ逆に損してしまう人も存在します。
どんな人が損をすると思いますか?
- 仕事のできないオジサン
- 残業代に頼っている人
- ブラック企業の経営者
仕事の結果と賃金を【同一労働同一賃金】という考え方に基づいて評価されるので、仕事のできないオジサンの給料は下がってしまう可能性があります。
「勤続年数で給料が上がるだろう。」
という甘い考えで長年仕事をしてきたオジサンにとっては寝耳に水ですね。
若い頃は安い給料でひたすら会社のために仕事をして、これから給料が上がっていくだろうというタイミングで今度は若者と競争しなければいけません。
「立場が上がれば楽できるだろう。」
と夢見ていた未来は残念ながら訪れません。
また、毎月自分から長時間労働をしている人もいます。
理由は簡単で
「残業代がもらえるから。」
です。
本来残業しなくてもいい内容でも、わざと残業を入れて給料を上げているのです。
やらなくてはいけない仕事の量はそれほど変わらずに、残業時間の制限ができるので限られた時間で濃い仕事をしなければいけません。
そして残業代が減るので給料は減ってしまいます。
ブラック企業の経営者にとっても良い話ではありません。
ブラック企業といえば安い賃金で長時間労働を強いる会社のことですが、最低賃金の規定も年々上がってきています。
残業代も正確に報告する必要があります。
そして年間に有給もしっかり取ってもらわなければいけません。
非正規社員を多く雇って、安い労働力を確保していた経営者は苦しくなるでしょう。
これからは真っ当なスタイルで仕事をする必要がある
働き方改革はまだまだ全ての会社に浸透してはいません。
未だにサービス残業といって国に内緒で長時間労働を強いる会社も多いですし、非正規社員への風当たりが強い会社もあります。
まずは自分が働いている会社を客観的に分析してみましょう。
もしも、少しでもブラックな部分が気になる場合は転職をおすすめします。
なぜなら真っ当に経営していない会社に未来はないからです。
将来的にしっかりとした給料を貰いたいのであれば、自分の仕事を正当に評価してくれる会社に勤めるべきです。
また副業に力をいれるべきです。
働き方改革による社会の流れに敏感になりましょう。
いつまでも損する側の立場にいては未来は暗いですよ。
少しでも参考になれば嬉しいです。
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