美容師の給料、歩合制について深く考えてみる【メリット、デメリットなど】

「美容師の給料制度について詳しく知りたい。」

「他のサロンの歩合はどれくらいなんだろう?」

「将来的に歩合制のままで大丈夫なのか?」

このような疑問を抱えていませんか?

この記事を書いている自分は美容師歴18年で、自身で美容室を2店舗経営しています。

今回は美容師の給料制度について深く考えていきたいと思います。

この記事を読めば今のサロンの待遇が他のサロンの平均と比べて良いか悪いかの判断ができるようになりますよ。

美容師の方は是非最後までご覧ください。

美容師の歩合制とは?

基本的に美容師スタイリストの給料制度は歩合制が多いです。逆にアシスタントは固定給が基本ですね。

平均して美容師スタイリストの基本給は約20万程度です。そこから自分の売り上げに応じて歩合給が加算されていくイメージです。

サロンによって歩合給のシステムは様々ですが、僕自身の経験と知り合い美容師達から聞いた情報によるとこのような給料になります。

《指名入り上げ0~50万》…歩合給はゼロ
《指名売り上げ50~100万》…基本給と合わせて20~25万
《指名売り上げ100~150万》…基本給と合わせて30~40万
《指名売り上げ150~200万》…基本給と合わせて50~60万
《指名売り上げ200~300万》…基本給と合わせて70~100万
《指名売り上げ300万以上》…基本給と合わせて100~150万以上

全国の美容師スタイリストの平均売り上げが約70万くらいです。ですので一般的な美容師は月給25万くらいでしょうか。売り上げが100万を超えると月給30万を超えるのでまずは100万が目標になります。

100万を超えるようになると肩書が変わってきます。いわゆるトップスタイリスト。

200万を超えると店長、副店長クラス。

300万を超えるとカリスマレベルです。年収にしても1.000万を超えてきますからね。

歩合制のメリット

このような歩合制だとどのようなメリットがあるのでしょうか?僕が考えると以下のような点がメリットに感じます。

  • いきなり翌月の給料が上がるチャンスがある
  • サロンワークのやる気がでる
  • 先輩スタイリストに下剋上ができる
  • 年収が決まってないから夢がある

美容室の歩合制とは前月の売り上げを基準に翌月の給料が決定します。ということは指名売り上げが大幅に伸びたら翌月の給料が倍になるという可能性もあるのです。

この制度によって毎日のサロンワークのモチベーションが上がりますし、売り上げに貪欲になります。サロンとしても売り上げさえ上がれば給料を上げてもサロン側の利益が確保できるのでお互いにwinwinの関係性になることができます。

またアシスタント時代に目の上のたんこぶ的存在だった嫌いな先輩スタイリストの給料を超えることも可能です。美容師は実力社会ですので下剋上のチャンスは毎月あるんですよ。自分の方が売り上げが上になるとサロン内での立ち位置も変わりますし、嫌な思いをしなくなったという人も多いです。実際に自分が働いていたサロンでも年下のスタイリストに抜かれて悔しい思いをしている先輩スタイリストが何人もいました。

また普通の会社員と違って年収が決まっていないので、自分次第で年収はどんどん上がります。毎月の指名売り上げが200~300万を超えるようなカリスマスタイリストになれば年収1.000万超えも夢ではありません。都内のサロンなどでは20代で年収1.000万を超えているような美容師は沢山いますよ。

歩合制のメリットとしては自分に実力さえあれば、それに見合った報酬を得ることができる点です。

歩合制のデメリット

もちろんメリットばかりではありません。デメリットも存在します。

歩合制のデメリットは以下のような点になります。

  • 給料が下がる可能性がある
  • 長年働いても給料が上がらない人もいる
  • 毎月、常に不安定

自分の売り上げ次第で毎月の給料が決まるので、売り上げが下がってしまうともちろん給料も下がります。美容室の閑散期として1月、2月は比較的暇ですから冬の給料はちょっと厳しいものがあります。逆に12月や3月など売り上げを上げるチャンス月もありますが。

歩合制の評価ポイントとしては指名売り上げのみにフォーカスしていますので、どれだけ真面目に仕事をしても売り上げが低いと給料は上がりません。

「無遅刻無欠席で出勤している。」

「細かいところまで掃除を頑張っている。」

などといった行動をとっても給料にあまり響かないのです。

普通の会社員みたいに勤続年数によって給料が上がるわけではないので、実力がなければ何年働いても給料が上がらない人もいます。

そしてプレイヤーとしてのピークもあります。おそらく売り上げが高いのは20~40代まででしょう。40歳以上になると新規客も減っていきますし、売り上げがだんだんと下がってきます。

何より精神的に常に不安定になります。

「もし売り上げが下がってしまったらどうしよう。」

「病気や怪我で仕事ができなくなったらどうしよう。」

基本給の保証は多少あるかもしれませんが、美容師が病欠してしまうとモロに給料に響きますよ。

仮に定額制にすると美容室はどうなるか?

今は歩合制のサロンがほとんどですが、仮に定額制にするとどうなるでしょうか?

仮にの話ですが、

《アシスタント》…17万
《スタイリスト1年目》…20万
《スタイリスト3年目》…23万
《スタイリスト5年目》…25万
《トップスタイリスト(8年勤務)》…30万
《店長、副店長(10年以上勤務)》…30~50万
という設定があったとしましょう。どう感じますか?
勤続年数によって給料が変わるので一見離職率が下がって雇用が安定しそうですね。でも実力のあるスタイリストからすると自分の売り上げに給料が見合わない可能性もあります。こちらもメリット、デメリットがありそうですね。

定額制のメリット

もし美容室が定額制の給与体系ならば、以下のようなメリットが予想されます。

  • 勤続年数が長くなると給料が上がるので、歳をとっても安心
  • 病気や怪我の際にも安心
  • 上下関係がはっきりする
  • 毎月安定した収入になる

基本的に安定感がメリットと言えるでしょう。

自分の売り上げが思うように伸びなかった月でも決まった給料が支払われるので、毎月の生活に安定感ができます。かりに病気や怪我をしてしまっても給料が決まっていればそこまで下がることはないでしょう。

真面目に仕事さえすれば、勤続年数で給料が上がるので歳をとってからも安心して仕事することができます。

また後輩に給料が抜かれることがないので、上下関係もはっきりしますね。

定額制のデメリット

逆にデメリットは以下のような事が予想されます。

  • 仕事にやる気がでない
  • だらだらする嫌な先輩が増えそう
  • 実力が正当に評価されない
  • 夢がない

月の売り上げがいくら上がったとしても給料が上がらないので、仕事のモチベーションが上がりません。そんな中で長年仕事をしていると実力もないのにだらだらと仕事をする嫌な先輩が増えそうですね。

月に200万売り上げる28歳のスタイリストよりも、月に70万程度の35歳のスタイリストの方が給料が高いという矛盾が生じてしまいます。どう考えてもサロンに貢献しているのは売り上げが高いスタイリストなのに。

仕事をする上で年収1.000万というと高収入の部類に入るのですが、どう考えても定額制だと無理です。せっかく華やかな世界に憧れて美容師になったのに普通の会社員みたいな生活になってしまい夢がなくなります。

まとめ:理想の給料体制とは?

それぞれのメリット、デメリットを含めてどのような給料体制が理想でしょうか?

僕はこう考えます。

売り上げが高い人にはそれに見合った報酬を与え、年齢が高くなってピークを越えたときにも安定した収入を。そして病気や怪我でサロンに立てなくなったとしてもしっかりとした保証がある会社。

そんなサロンが理想的だと考えます。

実際に完全歩合制ではなく、歩合制&保証制度を確保している会社も今では増えてきています。もしも自分の働いているサロンの給料体制に疑問を持ったら、他のサロンを探すこともおすすめします。

美容室はすくなくとも歩合制の制度は必ず存在するので、競争が自分には向いていないと感じるならば他業種への転職も一つの方法です。年齢が高くなると転職も難しくなるので、早めに行動するようにしましょう。

少しでも参考になれば嬉しいです。

他にも美容師が抱える悩みに関しては下記の記事で詳しく解説していますので、参考にして下さい。

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