美容師が大変なことって何?【スタイリスト編】

美容師スタイリストって何が大変なの?
下積み時代である美容師アシスタントの時代を乗り越えて、晴れてお客様の髪を切れるようになった美容師スタイリスト。傍から見た感じでは華やかな世界で毎日楽しそうに働いているように見えますが、実は色々と大変な事があるのです。
この記事では実際に美容師スタイリストとして東京、表参道で働いていた自分が自身の経験をもとに「大変なこと」を解説していきます。
最後まで読むと美容師としての働き方が理解できますし、これからの人生設計に役に立ちますよ。是非最後までご覧ください。

美容師スタイリストが大変な事

・給料が安定しない
・毎月の目標がある
・サロン内の戦いがある
・一生勉強が必要
・後輩の育成
・将来像が見えない

給料が安定しない

美容師の給料体型は「基本給」+「歩合給」という形がほとんどですが、自分の売り上げに対して「歩合給」は毎月変動するので、明確に給料が決まっているわけではありません。売り上げが上がれば上がるほど歩合給は高くなるので、夢のある仕事とも言えますが【安定感】を求める人にとっては向いていないかもしれません。

美容室にも当然「繁忙期」や「閑散期」がありますので、売り上げにも季節によって差が出てしまいます。12月の繁忙期に売り上げが上がったからといって散財してしまうと1.2月の閑散期には悲惨な思いをすることになりますよ。

若い時はそんなに気にならない給料の不安定感ですが、住宅ローンや子供の教育費など毎月の固定費が上がってくると「安定した給料の方がいいなぁ。」と思う人も多いでしょう。

毎月の目標がある

美容師スタイリストは毎月の「目標売り上げ」が明確に決まっているサロンが多いです。決まっていなくても自分の中で「今月は〇〇円は売り上げないと。」という思いで働いている人がほとんどです。給料に直結してくる問題なので1か月の前半で調子が悪いと憂鬱な気分で働くことになってしまいます。

もし、仮に「数字が悪くても、毎月の売り上げなんて全然気にしてないよ。」という人は今すぐスタイリスト辞めた方がいいですね。おそらく稼げる美容師にはなれないでしょう。

毎月の目標を頑張ってクリアしていきながら徐々に売り上げを伸ばして、給料が上がっているわけですが、精神的にはかなりのプレッシャーになります。他の仕事でも「ノルマ」を課せられるとストレスを感じる人が多いですが、その気持ちと似ていますね。

サロン内の戦いがある

サロン内に複数のスタイリストがいる場合は、嫌でも売り上げの戦いになってきます。表面上は言葉にしなくてもスタイリストはお互いの売り上げを意識しています。

デビューしたばかりの頃はスタイリストの中で下っ端なので上の先輩を目標に頑張るだけですが、後輩がスタイリストになってくると下からのプレッシャーがストレスになります。

美容師業界では若いスタイリストが先輩の売り上げを追い抜くという事は珍しくありません。かつて技術指導していた後輩に売り上げで圧倒されるとサロン内の立場も変わってきますし、更に下のアシスタントからの評価も下がってしまいます。

実際にどんどん下の後輩に抜かれていってサロンに居場所がなくなってしまい、辞めてしまったスタイリストを沢山見てきました。

一生勉強が必要

先輩美容師で「あの人のスタイルは何か少し古臭いなぁ。」と思った事があると思いますが、流行のスタイルは日々変化しています。アシスタント時代は毎日必死に練習していたと思いますが、スタイリストに昇格すると極端に練習量が減ってしまう人もいます。

そんな人は最新のスタイルに対しての知識や技術がないので、いつまでも自分の得意なスタイルをお客様に提供することになります。数年間は通用すると思いますが、気が付けばお客様からも後輩からも慕われなくなってしまいます。

サロンで活躍するためには継続した努力が必要なのです。ですので休日に技術セミナーに出かけたり、アシスタントと一緒に練習したりすることになるのですが、必然的に仕事の時間は長くなってしまいます。

後輩の育成

スタイリストに昇格するとアシスタントの技術指導を担当することになります。ですのでサロンワークが終わってもすぐに帰ることはできません。もちろんアシスタント時代に比べると少しは早く変えれたりはしますが、普通の仕事に比べると仕事時間は約1.5倍は長いでしょう。

後輩の指導に積極的な人ならば、あまり苦にならないかもしれませんが、他人に関心がない人にとっては辛い時間です。アシスタント時代は自分の練習のためなので遅くまで残って頑張っていたかもしれません。しかし後輩の育成はほとんどボランティア活動のようなものです。

残業代も出なければ、自身の練習時間でもありませんからね。

将来像が見えない

美容師にはピークがあります。デビューして数年間は右肩上がりに売り上げは伸びていくでしょう。しかし年齢が高くなると、ある時期を境に売り上げが平行線をたどるようになります。そして徐々に売り上げは下がってしまいます。

その理由としては自身の見た目が老けたり、技術が古くなってしまってお客様から魅力的に見えなくなってしまうからです。他にも若い後輩がフリーの新規客に入るようになるので、新しく自分のお客様を増やすチャンスが減ってしまうという理由もあります。

一定数の新規客に入り続けないと、失客した分の売り上げがどんどん下がってしまいます。そうなると給料も下がってしまいますよね。普通の仕事は年齢が高くなるにつれて給料が少しずつ上がっていくものですが、美容師は完全に実力社会なので「40代で20代の頃の給料より下がってしまった。」という人も珍しくありません。

そんな人を間近で見ていると「自分が40代、50代になったときにどうなるんだろう?」と若い頃から不安になってしまいます。

良くも悪くも実力社会です

実は先ほど解説した美容師スタイリストの悩みというのは大半が「お金」に関する悩みなのです。スタイリストになって多くのお客様に支持されるような美容師に悩みは少ないでしょう。

「指名売り上げ」が高ければ、給料も高くなりますし、毎月の目標もストレスにはなりません。後輩に抜かれる心配もないでしょうし、立場がどんどん上がっていってトップスタイリスト、店長、ディレクターという役職につくことができます。

そうなると年齢が高くなっても「役職手当」といった名目で安定した給料を貰うことができますから、将来も不安にならないでしょう。いわゆる勝ち組美容師というやつです。

しかし全ての美容師が順調にキャリアアップできるわけではなく、中には20代の頃と同じ給料で売れないスタイリストのまま働き続ける人もいるのが現実です。

どうやったら勝ち組美容師になれるのか?

まずは美容という仕事を心から好きになること。これが最も大切でしょう。好きな仕事ならば自分から進んでスタイルの研究や練習を重ねると思いますし、サロンワークも楽しんで行うことができます。

美容が好きなら自然と服装もお洒落になりますし、自分のヘアスタイルにも拘りがでてくるでしょう。

「努力は夢中には勝てない。」という言葉がありますが、子供が夢中にゲームをする感覚で仕事ができる美容師は絶対に強いですよね。

「自分はそこまで仕事を好きになれない。」と思ったならば美容の世界は向いていないかもしれませんよ。

美容師に向いている人の特徴は下記の記事を参考にして下さい。

美容師に向いている人の特徴を分析してみた

歳をとってから後悔しないためにも

もし自分に美容師の世界は向いていないかもしれない。と思ったら歳をとる前に違う業界に転職することも一つの方法ですよ。

努力をすることは確かに大切ですが、自分の力の発揮できる環境で正しい努力を積み重ねなければ、成果につながることはないでしょう。これまでに美容師として努力したけれど全然売り上げが伸びていないのなら、これから先の将来も大きく伸びる事はないと思われます。

そうなると全く稼げない40代になってしまうので、まずは環境を変える事を検討してみてはいかがでしょうか?今はどの業界も人材不足なので未経験からでも就職できる企業は多いです。中には今よりも好待遇で人生が豊かになる企業があるかもしれません。

転職は転職エージェントを利用するべき

いざ転職を考えても自分一人ではなかなか理想の企業を見つけることは難しいでしょう。転職で成功している人の多くは転職エージェントを利用しています。なぜなら転職のプロが完全無料で徹底サポートしてくれるからです。

「企業の検索」「応募」「面接対策」「退職手続き」「待遇の交渉」など転職に必要な行動は多いですが、サポートがあれば今の仕事を続けながらでも無理なく転職活動を進める事ができます。

美容師から他業種への転職はこちらの記事を参考にして下さい。

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まとめ:美容師が大変なことって何?【スタイリスト編】

美容師に向いていない人はせっかく美容師スタイリストになったとしても売り上げの問題で毎日悩むことになります。また土日祝日が仕事なので家族を持ったときに自分の働き方を見直す人も出てきます。

そんなときは一度冷静に今後の将来を考えてみましょう。美容師として頑張るならばこれまでの仕事をもっともっと頑張る必要がありますし、転職するならば早めに行動することが成功のポイントです。

何も考えずに毎日を過ごしているとあっという間に年齢ばかり高くなってしまいますよ。後悔しない人生を過ごすためにも今の自分としっかり向き合ってみてください。

少しでも参考になれば嬉しいです。

他にも美容師が抱える悩みに関しては下記の記事で詳しく解説していますので、参考にして下さい。

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